解説ガイド
運送業の事業報告書・事業実績報告書 完全ガイド
最終更新: 2026年7月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 第2条(e-Gov)ほか
一般貨物自動車運送事業者(緑ナンバー)は、毎年2種類の報告書を運輸支局へ提出する義務があります。 「事業報告書」と「事業実績報告書」です。名前が似ていますが内容も期限も別物で、 提出を忘れると増車などの事業計画変更が認可されないなどの実害があります。本ガイドで要点を押さえましょう。
1. 2つの報告書のちがい
| 事業報告書 | 事業実績報告書(第4号様式) | |
|---|---|---|
| 内容 | 決算ベースの財務(事業概況・損益明細表・人件費明細表・貸借対照表・損益計算書) | 輸送実績(延実在/延実働車両数・走行/実車キロ・輸送トン数・事故件数など) |
| 様式 | 第1号〜第3号様式+B/S・P/L | 第4号様式(1枚) |
| 対象期間 | 各事業年度 | 前年4月1日〜当年3月31日 |
| 提出期限 | 事業年度の経過後100日以内 | 毎年7月10日まで |
| 提出先 | 所轄の地方運輸局長(主たる事務所を管轄する運輸支局を経由して提出可) | |
2. 提出期限はいつ?
事業報告書は「事業年度の経過後100日以内」です。事業年度末日の翌日から数えて100日目が期限で、 たとえば3月決算なら7月9日、12月決算なら翌年4月10日が目安です。事業実績報告書は決算月に関係なく毎年7月10日で固定です。
期限が土日・祝日・年末年始(12/29〜1/3)に当たる場合、事業報告書は「行政機関の休日に関する法律」により 翌開庁日に繰り下がります。事業実績報告書は7月10日固定のため、休日に当たる年は前倒しでの提出が安全です。
決算月を入れるだけで両方の期限が分かる 提出期限チェッカー をご利用ください。
3. 事業実績報告書(第4号様式)の書き方
第4号様式は大きく「事業概況」「事業内容」「輸送実績」「事故件数」で構成されます。輸送実績と事故件数は地方運輸局の管轄区域ごとに記入し、最終行に全国計を記載します。
延実在車両数・延実働車両数(日車)
延実在車両数は、動く動かないに関係なく事業用車両が在籍していた延べ日車(各車の在籍日数の合計)。延実働車両数は、実際に貨物輸送のため走行した延べ日車(各車の稼働日数の合計)です。 いずれも「両×日」の単位で数え、手集計が最も手間のかかる箇所です。
実働率・実車率(様式には無い参考指標)
実働率 = 延実働車両数 ÷ 延実在車両数 × 100、実車率 = 実車キロ ÷ 走行キロ × 100 です。 第4号様式の欄には含まれませんが、経営指標として把握しておくと有用です。 当サイトの 第4号様式 作成ツール では、区域別の入力から全国計・実働率・実車率を自動計算してExcel出力できます。
4. 提出しないとどうなる?(罰則・不利益)
5. よくある質問
3月決算の事業報告書はいつまで?
事業年度末(3/31)の翌日から100日目、7月9日が目安です(休日なら翌開庁日)。7月10日は事業実績報告書の期限で、両者は別物です。
軽貨物(黒ナンバー)も対象?
これらの年次報告義務は一般貨物自動車運送事業者が対象で、貨物軽自動車運送事業(軽貨物)は対象外です。
作成を代行してもらえる?
報酬を得て官公署提出書類の作成を代行できるのは行政書士です(事業者ご自身で作成・提出することは自由です)。
まずは 提出期限チェッカー で期限を確認し、第4号様式 作成ツール で実績報告書を作成しましょう。
さらに詳しく(個別解説)
- 事業実績報告書(第4号様式)の書き方・記入例
- 延実在車両数・延実働車両数の計算方法
- 事業報告書の提出期限【決算月別早見表】
- 事業報告書と事業実績報告書の違い
- 未提出の罰則と実害
- 損益明細表(第2号様式)の書き方
- 人件費明細表(第3号様式)の書き方
- 兼業がある場合の按分ルールと配分基準
※ 本記事は一般的な解説です。最終的な期限・様式・取扱いは所轄運輸支局および最新の告示をご確認ください。