解説ガイド · 事業報告書
人件費明細表(第3号様式)の書き方 — 支給延人員・雇用延人員の数え方
最終更新: 2026年7月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 別記第3号様式(地方運輸局配布様式で構成確認)
人件費明細表(正式名: 一般貨物自動車運送事業人件費明細表・第3号様式)は、事業報告書の添付書類のひとつで、 運送事業の人件費を「誰に(区分)×何を(費目)」のマトリクスで記載します(単位: 千円)。損益明細表(第2号様式)の人件費の内訳を示す関係にあり、両者の合計は一致している必要があります。
様式の構成 — 列(区分)と行(費目)
| 列(区分) | 誰の人件費か |
|---|---|
| 運送費 — 運転者 | 運転者(ドライバー) |
| 運送費 — その他 | 荷扱手・助手・整備員・運行管理者・営業所の事務員など現場部門 |
| 一般管理費 | 本社・管理部門(役員を含む) |
| 合計 | — |
| 行(費目) | 内容 |
|---|---|
| 役員報酬 | 取締役等への報酬(通常は一般管理費列) |
| 給料・手当 | 基本給・残業手当・各種手当 |
| 賞与 | ボーナス |
| (支給延人員) | 人月単位。給料を支払った月別人員数の年度合計(例: 毎月20人×12ヶ月=240人月) |
| 退職金 | 退職金・退職給付費用 |
| 法定福利費 | 社会保険料・労働保険料の会社負担分 |
| 厚生福利費 | 健康診断・慶弔・社宅など任意の福利厚生 |
| 臨時雇賃金 | 日雇・臨時アルバイトへの賃金 |
| (雇用延人員) | 人日単位。臨時雇賃金を支払った日ごとの人員数の年度合計 |
| その他人件費 | 上記に入らない人件費 |
| 合計 | — |
支給延人員・雇用延人員の数え方(具体例)
- 支給延人員(人月) … 「毎月、給料を何人に払ったか」の合計。 例: 4〜9月は運転者12人、10〜3月は13人 → 12×6+13×6=150人月。
- 雇用延人員(人日) … 「臨時雇いに、日単位で延べ何人働いてもらったか」。 例: 繁忙期に日雇2人×20日 → 40人日。
期中の入退社は「その月に給料を払ったか」で数えます。 この人員データは事業概況報告書(第1号様式)の従業員数(月別支給人員の年度合計÷12の平均値)とも整合させます。
よくある間違い
- 運転者の給料を一般管理費に入れる … 運転者は必ず「運送費—運転者」列です。
- 支給延人員を「期末の在籍人数」で書く … 延人員は年度合計(人月)です。在籍20人なら約240人月になるはず。
- 損益明細表と合計が合わない … 第2号様式の人件費(運送費+一般管理費)と第3号様式の合計は一致が原則。ズレたら按分・振替のもれを疑う。
- 法定福利費のもれ … 社会保険の会社負担分は給料とは別の行です。
兼業がある場合
運送業以外の事業を兼業している場合は、運送事業に係る人件費だけを計上します。 両部門にまたがる人(経理担当など)は、配分基準通達等により各事業に適正に配分します。 根拠となる通達と科目別の基準は兼業がある場合の按分ルールと配分基準をご覧ください。
提出期限に注意
人件費明細表を含む事業報告書は決算後100日以内(決算月別早見表)。期限チェッカー(無料)で自社の期限と残り日数を確認できます。
出典(一次情報)
- 貨物自動車運送事業報告規則(e-Gov法令検索) — 第2条・別記第3号様式
- 全日本トラック協会 事業報告書(様式配布)
※本記事は一般的な解説です。具体的な振り分け・按分は顧問税理士・行政書士または所轄運輸支局にご確認ください。