解説ガイド · 事業報告書

損益明細表(第2号様式)の書き方 — 決算書からの転記と兼業按分

最終更新: 2026年7月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 別記第2号様式(地方運輸局配布様式で構成確認)

損益明細表(正式名: 一般貨物自動車運送事業損益明細表・第2号様式)は、事業報告書(決算後100日以内)に添付する書類のひとつで、運送事業だけの損益を、様式の決められた科目に組み替えて記載します(単位: 千円)。 自社の決算書(P/L)をそのまま写すのではなく、「運送事業分の抽出」と「科目の組み替え」が必要になる点がポイントです。

様式の科目構成

大枠は「営業収益」-「営業費用(運送費/一般管理費)」-「営業外損益」で、最終行が経常損益です。

区分科目記載のポイント
営業収益運送収入(貨物運賃/その他)運賃収入が中心。附帯作業料などは「その他」
運送雑収車両売却益等でない、運送に付随する雑収入
営業費用
(運送費)
人件費運転者・整備員・運行管理者など現場部門の人件費。運転者分等は内書き(括弧書き)
燃料油脂費(ガソリン/軽油/その他)燃料種別に分けて記載
修繕費・減価償却費いずれも「事業用自動車/その他」に区分
保険料・施設使用料・自動車リース料車両保険・車庫地代・リース料など
施設賦課税自動車税・重量税など事業用施設への税
事故賠償費・道路使用料・フェリーボート使用料該当があれば
その他傭車費・下請運送費はここに含め、内書き(括弧書き)
営業費用
(一般管理費)
人件費/その他本社・事務部門の人件費と経費
営業外営業外収益(金融収益ほか)/営業外費用(金融費用ほか)受取利息・支払利息など
最終行経常損益収益-費用の結果

※科目名・区分は地方運輸局配布の様式(Excel)に基づく大枠です。実際の記入は配布様式の行構成に従ってください。

書き方の手順(3ステップ)

  1. 決算書(P/L・製造原価報告書等)を手元に用意 … 損益明細表の数字はすべて決算書と整合している必要があります。
  2. 運送事業分を抽出する … 兼業(倉庫業・整備業・不動産賃貸など)がある場合、運送事業に係る分だけを切り出します(按分は後述)。
  3. 様式の科目に組み替える … 自社の勘定科目を上表の様式科目に振り替えます。例: 「地代家賃」→ 車庫分は運送費の施設使用料、本社事務所分は一般管理費のその他。

兼業がある場合の按分

兼業部門と共通で発生する収益・費用は、記入要領により「貨物自動車運送事業に係る収益及び費用並びに固定資産の配分基準について」(平成2年11月29日 貨経第44号・貨陸第133号)に基づいて運送事業分を算出して計上することとされています。通達は科目ごとに基準を定めており、主なものは:

また、兼営事業の割合が小さく配分基準の算定が困難な場合は主たる事業に計上してよい(少額特例)とされています。 科目別の基準一覧・計算例・様式間の整合チェックは兼業がある場合の按分ルールと配分基準で詳しく解説しています。 この按分の考え方は人件費明細表(第3号様式)や事業概況報告書の従業員数とも共通です。

よくある間違い

期限もあわせて確認を

損益明細表を含む事業報告書の期限は決算後100日以内(3月決算なら7月9日)。期限チェッカー(無料)で自社の期限を確認できます。 決算月別の一覧は早見表へ。

出典(一次情報)

※本記事は一般的な解説です。具体的な科目の振り分け・按分基準は顧問税理士・行政書士または所轄運輸支局にご確認ください。