解説ガイド · 第4号様式
事業実績報告書(第4号様式)の書き方・記入例
最終更新: 2026年9月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 第2条・別記第4号様式(e-Gov)、事業実績報告関連書類の記入要領・記載例(長野県トラック協会掲載PDF)、国土交通省 自動車輸送統計 用語の定義
事業実績報告書は、一般貨物自動車運送事業者(特定・特別積合せを含む)が毎年7月10日までに、 前年4月1日〜当年3月31日の輸送実績を所轄の地方運輸局へ提出する報告書です(貨物自動車運送事業報告規則 第2条)。 様式は第4号様式1枚。この記事では欄ごとに「何を・どう数えて」書くかを記入例つきで解説します。
様式の全体構成(4ブロック)
第4号様式は大きく次の4ブロックで構成されます。
| ブロック | 内容 | 基準日/期間 |
|---|---|---|
| A. 事業概況 | 事業者番号・区分(一般/特定/特積/利用/霊柩)・住所・事業者名・代表者名・電話番号・事業用自動車(両)・従業員数・運転者数 | 3月31日現在(期末断面) |
| B. 事業内容 | ダンプ土砂輸送/冷凍・冷蔵輸送/引越輸送/危険物等輸送 など9択から主なもの3つ以内に○ | 前年4/1〜3/31 |
| C. 輸送実績 | 延実在車両数・延実働車両数・走行キロ・実車キロ・輸送トン数(実運送/利用運送)・営業収入(千円) | 前年4/1〜3/31・地方運輸局の管轄区域ごとに記入し全国計 |
| D. 事故件数 | 交通事故件数・重大事故件数・死者数・負傷者数 | 前年4/1〜3/31・区域ごと |
A. 事業概況の書き方
右上の「事業者番号」は9マスの欄です。分かる場合は記入します (事業報告書のほうは記入要領が「記載を要しない」としています。事業者番号とは)。
- 事業用自動車(両) … 記入要領では「3月31日現在の事業計画に記載された事業用自動車の数」と定められています。被けん引車がある場合は内数で示します(記載例では「25(内被けん引10)両」)。
- 従業員数 … 様式の備考で「主として当該事業に従事している人数及び共通部門に従事している従業員のうち当該事業分として適正な基準により配分した人数とし、運転者数を含む」と定義されています(兼業がある場合は按分)。 加えて記入要領は「3月31日現在における貨物自動車運送事業に従事する従業員(役員は含まない)」と定めています。
⚠ 事業概況報告書(第1号様式)の従業員数は 「期中の平均」で「役員を含める」ため、第4号様式とは数え方が逆になります。混同しないよう注意してください。 - 運転者数 … 従業員数の内数として運転者の人数を記入します。従業員数より大きくなることはありません。
C. 輸送実績の書き方(最重要ブロック)
輸送実績は地方運輸局の管轄区域(北海道・東北・北陸信越・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄)ごとに、 その区域内の営業所に配置された事業用自動車の実績を記入し、最終行に全国合計を記載します(様式備考)。 営業所が1つの運輸局管内に収まる会社は、その区域1行+全国計だけで構いません。
| 欄 | 意味・数え方 | 単位 |
|---|---|---|
| 延実在車両数 | 動く・動かないに関係なく、期間中に在籍していた車両の延べ日数(各車の在籍日数の合計) | 日車 |
| 延実働車両数 | 実際に貨物輸送のため走行した車両の延べ日数(各車の稼働日数の合計) | 日車 |
| 走行キロ | 期間中に走行した総距離(空車走行を含む) | km |
| 実車キロ | 貨物を積載して走行した距離(空車を除く)。時間制運賃を適用する場合、運賃収受の対象となる時間内は積載せず走行した分も実車として扱います。またフェリーボートに乗船中の距離は含みません(記入要領⑧) | km |
| 輸送トン数(実運送) | 自社の車両で運送した貨物の重量(利用運送に係るものは除外) | トン |
| 輸送トン数(利用運送) | 貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量(他社に運んでもらった分) | トン |
| 営業収入 | 当該区域の営業収入 | 千円 |
延実在・延実働車両数の具体的な計算手順と間違えやすいポイントは延実在車両数・延実働車両数の計算方法、 輸送トン数の実運送・利用運送の分け方(二重計上の禁止・下請けの扱い)は輸送トン数の数え方で詳しく解説しています。
数字の入った完全な記入例は、後述の「記入例 — 架空の会社で全欄を埋める」をご覧ください。
D. 事故件数の書き方
- 交通事故件数 … 様式の備考6で「道路交通法第72条第1項の交通事故」と定義。記入要領では「警察による事故検分が行われた事故の件数」とされており、小さな事故も件数に含めます。
- 重大事故件数 … 様式の備考7で「自動車事故報告規則第2条の事故」と定義(転覆・火災・死傷事故等)。記入要領では「運輸支局への報告義務がある事故の件数」とされています。
- 死者数 … 記入要領で「交通事故の発生から24時間以内に死亡した人の数」と定められています。
- 負傷者数 … 記入要領で「交通事故によって負傷し、治療を要した人の数」と定められています。
事故がない場合は「0」を記入します(空欄にしない)。
記入例 — 架空の会社で全欄を埋める
次の架空の会社を例に、A〜Dの全欄を埋めていきます(実在の会社ではありません)。
A. 事業概況(3月31日現在)の記入例
| 欄 | 記入する値 | 値の出どころ |
|---|---|---|
| 区分 | 「一般」を○で囲む | 行っている事業の区分すべてを○(備考1) |
| 事業用自動車 | 10両 | 3月31日現在の事業計画に記載された数(記入要領②)。被けん引車があれば「25(内被けん引10)両」のように内数で書く |
| 従業員数 | 14人 | 3月31日現在・貨物自動車運送事業に従事する従業員。役員は含めない(記入要領③)。運転者を含む(備考2) |
| 運転者数 | 10人 | 従業員数の内数 |
B. 事業内容の記入例
この会社は冷凍食品の輸送が主力なので、「冷凍、冷蔵輸送」を○で囲みます(主なもの3項目以内・備考3)。 当てはまる項目がない場合は「その他」に「食料品の集配」「機械部品の貸切輸送」のように輸送品目・輸送形態を簡潔に記載します(記入要領④)。
C. 輸送実績の記入例
| 区域 | 延実在 (日車) | 延実働 (日車) | 走行キロ | 実車キロ | トン数 (実運送) | トン数 (利用運送) | 営業収入 (千円) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 関東 | 3,650 | 2,920 | 512,000 | 358,400 | 8,200 | 0 | 214,000 |
| 全国計 | 3,650 | 2,920 | 512,000 | 358,400 | 8,200 | 0 | 214,000 |
各数字は次のように出しています。
- 延実在 3,650日車 = 10台 × 365日(期中の増減なし。増減車がある年は車両ごとに在籍日数を数えます)
- 延実働 2,920日車 = 運転日報から数えた各車の稼働日数の合計(平均で1台あたり292日)。稼働は1日単位で判断し、短時間だけ走った日も1日車(記入要領⑥)
- 走行キロ 512,000km = 全車の年間走行距離。空車での走行も含みます
- 実車キロ 358,400km = 荷物を積んで走った距離(時間制運賃の扱い・フェリーの除外は前述)
- 輸送トン数(実運送)8,200t = 荷主から引き受けた時点の貨物量の年間合計。この会社は傭車を使っていないため利用運送は0(下請けに出している場合の分け方は輸送トン数の数え方へ)
- 営業収入 214,000千円 = 年間の営業収入の実績値(単位が千円である点に注意)
D. 事故件数の記入例
| 交通事故件数 | 重大事故件数 | 死者数 | 負傷者数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 0 | 0 | 1 |
この会社は年度中に警察の検分が行われた接触事故が1件あり(負傷者1名・治療あり)、 自動車事故報告規則第2条に該当する重大事故はなかった、という例です。事故がなければ全欄「0」です。
提出前の検算
どちらかが100%を超えていたら記入ミスです(検算のしかたの詳細)。※この記入例の数値は、当サイトの第4号様式 作成ツールに実際に入力して検算済みです。
提出期限・提出先
- 期限: 毎年7月10日(対象期間: 前年4月1日〜当年3月31日)。決算月に関係なく全事業者一律です。
- 提出先: 所轄の地方運輸局長(主たる事務所を管轄する運輸支局を経由して提出できます)。
- 7月10日が土日等の年は、繰り下げの取り扱いが明文化されていないため前倒しでの提出が安全です。
- 出し方: 窓口・郵送のほか、令和7年12月1日からe-Gov電子申請も選べます。3つの比較は提出方法のまとめをご覧ください。
集計と様式作成を自動化する
当サイトの第4号様式 作成ツール(無料)なら、区域別に数値を入れるだけで全国計・実働率・実車率を自動計算し、そのままExcelでダウンロードできます。 提出期限の管理は期限チェッカーをどうぞ。
よくある質問
営業所が複数の運輸局管内にある場合は?
区域ごとに行を分けて記入し、最終行で全国計を合計します。区域の分け方は「営業所がどの地方運輸局の管内にあるか」です。
実働率や実車率は書く必要がありますか?
第4号様式に実働率・実車率・トンキロの欄はありません。求められるのは生の実数のみですが、検算・経営把握のために算出しておく価値はあります。
特定貨物自動車運送事業者も出すのですか?
はい。特定貨物自動車運送事業者は事業実績報告書(第4号様式)の提出対象です(なお決算関係の事業報告書は一般・特積が対象。詳しくはこちら)。
出典(一次情報)
- 貨物自動車運送事業報告規則(e-Gov法令検索) — 第2条・別記第4号様式(備考2・5・6・7)
- 事業実績報告関連書類の記入要領(長野県トラック協会掲載PDF) — ②〜⑪(事業用自動車の数・従業員数・実車キロ・輸送トン数・事故件数の定義)
- 第4号様式 記載例(同)
- 国土交通省 自動車輸送統計 用語の定義 — 延実在・延実働・実働率・実車率
- 全日本トラック協会 事業実績報告書(様式配布)
- 関東運輸局 貨物自動車運送事業の各種手続き
※本記事は一般的な解説です。最終的な様式・記載方法は所轄運輸支局の最新の記入要領をご確認ください。