解説ガイド · 事業報告書
事業概況報告書(第1号様式)の書き方 — 従業員数と営業収入構成比率
最終更新: 2026年8月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 別記第1号様式(e-Gov)、事業報告関連書類の記入要領(全日本トラック協会掲載)
事業概況報告書(第1号様式)は、決算後100日以内に提出する 事業報告書一式の1枚目で、会社の基本情報(経営規模・株主・役員・経営している事業・従業員数)をまとめる書類です。 記載内容そのものはシンプルですが、「従業員数」と「営業収入構成比率」の2つの欄に正確なルールがあり、 添付する人件費明細表(第3号様式)との整合も求められます。 この記事では、様式とともに配布される「記入要領」の原文に基づいて各欄の書き方を解説します。
各欄の書き方(記入要領より)
| 欄 | 書き方(記入要領の定め) |
|---|---|
| 年月日欄 | 当該事業年度の始期と終期を記載(例: 令和7年4月1日〜令和8年3月31日) |
| 経営規模・主な株主・役員 | いずれも事業年度末現在のものを記載 |
| 資本の額又は出資の総額 | 株式会社は払込資本金、有限会社・合名会社・合資会社・組合等は出資の総額 |
| 発行済株式総数 | 株式会社以外(有限会社等)は記載しない |
| 主な株主 | 所有株式の多い順に5名。所有株式数と、発行済株式総数に対する所有割合(%)を記載。有限会社・組合等も出資者名・出資口数で株式会社に準じて記載 |
| 役員 | 取締役(理事)・監査役(監事)等の役職名・氏名・常勤/非常勤の別。代表権を有する者は「代表取締役社長」等と明記し、その他も「専務取締役」「常務取締役」等と明記 |
| 経営している事業 | 当該事業年度中に経営したすべての事業を種類ごとに記載(一般貨物のほか、貨物利用運送事業・倉庫業・港湾運送事業等も) |
| 従業員数 | 期中の平均従業員数(詳細は次章) |
| 営業収入(売上高)構成比率 | 全事業の営業収入に対する各事業の割合(%)。年度の途中で休止・廃止した事業も記載 |
従業員数の数え方 — 「期末の人数」ではありません
記入要領は従業員数について次のように定めています。
- 期中の平均従業員を記載する(期末時点の在籍人数ではない)
- 役員も含める。ただし無報酬の非常勤役員等は含めない
- 主として当該事業に従事している人数を事業ごとに記載する
- 同一の従業員が二以上の事業に従事する勤務体制の場合は、適正な配分方法により各事業に配分した人数を記載する(兼業がある場合の配分は按分ルールの解説へ)
営業収入構成比率 — 合計100%になっているか
「経営している事業」欄に書いたすべての事業について、全事業の営業収入に対する各事業の割合(%)を記載します。 年度途中で休止・廃止した事業の分も含めます。兼業がある場合、この構成比率は損益明細表(第2号様式)に計上する運送事業分の収益と整合している必要があります。
あわせて提出する貸借対照表・損益計算書について
事業報告書には貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)も添付しますが、記入要領によれば報告規則にはB/S・P/Lの様式や勘定科目の定めはなく、一般に公正妥当と認められる会計の原則に従う限り、 事業者が任意に作成したもの(会社法の計算書類等)で構いません。用紙の大きさはA4とされています。
よくある間違い
- 従業員数を期末の在籍人数で書く … 正しくは期中の平均従業員数です。
- 役員を従業員数から漏らす … 役員も含めます(無報酬の非常勤役員等は除く)。
- 第3号様式と数字が合わない … 平均従業員数=支払延人員(人月)÷12 の関係が成立しているか確認。
- 兼業の記載漏れ … 「経営している事業」には年度中に経営した全事業を書き、構成比率も全事業分を記載します。
- 経営規模を期首や現在の数字で書く … 経営規模・株主・役員は事業年度末現在です。
期限と按分もあわせて確認を
事業概況報告書を含む事業報告書の期限は決算後100日以内(決算月別早見表)。期限チェッカー(無料)で自社の期限を、 兼業がある場合は兼業按分計算ツール(無料)で損益明細表の運送事業分を確認できます。
あわせて読みたい
出典(一次情報)
- 貨物自動車運送事業報告規則(e-Gov法令検索) — 第2条・別記第1号様式
- 事業報告関連書類の記入要領(全日本トラック協会掲載PDF) — (1)貸借対照表及び損益計算書、(2)事業概況報告書(第1号様式)①〜⑨
- 全日本トラック協会 経営状況を報告する(様式配布)
※本記事は上記の記入要領原文に基づく一般的な解説です。個別の記載方法は所轄運輸支局または行政書士にご確認ください。