解説ガイド · 提出手続
e-Gov電子申請で事業報告書を出す手順
最終更新: 2026年10月 / 根拠: 国土交通省「e-Govオンライン申請業務マニュアル(自動車運送事業関連手続)」 令和8年7月・バージョン1.40、同「オンライン申請対象手続一覧」(令和8年3月13日更新)
事業報告書も事業実績報告書も、令和7年12月1日からオンラインで提出できます。国土交通省の対象手続一覧に、No.48「一般貨物自動車運送事業者の事業報告書の提出」、 No.49「貨物事業者の事業実績報告書の提出(一般貨物、特定貨物)」として載っており、 どちらも利用開始日は令和7年12月1日です。 電子署名は要らず、手数料もかかりません。 この記事では、国土交通省が公開している業務マニュアルに沿って、最初の準備から、提出後に必ず手元に残すものまでを順に説明します。
全体の流れ
| やること | いつ | |
|---|---|---|
| 1 | アカウントを1つ取る | 初回のみ |
| 2 | e-Govアプリをパソコンに入れる | 初回のみ |
| 3 | 手続を検索する | 毎回 |
| 4 | 申請書を入力し、貸借対照表・損益計算書を添付する | 毎回 |
| 5 | 提出する | 毎回 |
| 6 | 申請書控えと手続完了の証跡を保存する | 毎回 |
1と2は最初の1回だけです。2年目以降は3から始められます。
1. アカウントを1つ取る(初回のみ)
マニュアルは、次の3種類のうちいずれか1つを取得すればよいとしています。
e-Govを利用するためには、e-Govアカウント、GビズID、Microsoft Windowsアカウントのいずれかを 登録・取得する必要があります。e-Govオンライン申請業務マニュアル(自動車運送事業関連手続) 2.1 アカウントの取得
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| e-Govアカウント | メールアドレスの登録 → メール確認 → パスワード設定だけ。取得は個人単位。 |
| GビズID | 他省庁のサービスにも使える見込みがあるため、マニュアルが推奨しています。 GビズIDメンバーは法人内の同一アカウントを複数人で使えます。 |
| Microsoftアカウント | 取得は個人単位。二要素認証はスマートフォン等で行う想定。 |
申請できる手続の範囲に差はありません。マニュアルのFAQは 「基本的に差異はありません」としたうえで、「可能ならGビズIDを推奨いたします」と述べています。 他省庁のサービスでも使えるため、長い目で見ればそのとおりです。
ただし取得までの時間は同じではありません。GビズIDのサイトは、プライムについて「審査を行って作成 ※時間がかかる場合があります」とし、 さらに「事業区分・マイナンバーカードの保有状況等により、オンライン申請と書類申請の、 2つの申請方法をご用意しております」と案内しています。提出期限が迫っているなら、まずe-Govアカウントを取って出してしまい、 GビズIDは落ち着いてから取るほうが安全です。
※GビズIDプライムは法人内の同一の利用者に複数アカウントを発行できませんが、 GビズIDメンバーは法人内で同一アカウントの利用が可能です。 また、Gビズプライムのアカウントからは、配下のメンバーアカウントの申請データを閲覧できます。
2. e-Govアプリを入れる(初回のみ)
ブラウザだけでは使えません。パソコンに専用のアプリを入れます。
e-Govを利用するためには、PCにe-Govアプリをダウンロード・インストールする必要があります。同マニュアル 2.2 アプリのインストール
e-Govアプリサイト(https://shinsei.e-gov.go.jp/) からダウンロードします。インストール後はアプリを起動し、1で取ったアカウントでログインします。
※アプリのバージョンアップがあるときは、ログイン画面でエラーが出て、 最新版アプリの掲載サイトに自動で遷移します。
3. 手続を検索する
ログイン後、マイページ上部の「手続検索」から探します。手続名が分かっていれば直接入力できますが、 分類からたどるほうが確実です。マニュアルは分類を次のように示しています。
| 分類 | 選ぶもの |
|---|---|
| 大分類 | 国土交通 |
| 中分類 | 自動車 |
| 小分類 | 貨物自動車運送事業関係 |
目的の手続名は、対象手続一覧では次のように書かれています。
| No. | 手続名 | 利用開始 |
|---|---|---|
| 48 | 一般貨物自動車運送事業者の事業報告書の提出 | 令和7年12月1日 |
| 49 | 貨物事業者の事業実績報告書の提出(一般貨物、特定貨物) | 令和7年12月1日 |
手続名をクリックすると手続情報のページが開き、手続概要・根拠法令などが確認できます。 内容が合っていれば「申請書入力へ」に進みます。
※手続名の下に「電子署名必要」「行政手数料有」のラベルが出る手続がありますが、 この2つの手続にはどちらも付きません(次項参照)。
電子署名も手数料も不要です
電子申請というと、電子証明書の取得費用を心配されることがあります。かかりません。
自動車運送事業関連手続きについては、電子署名(電子署名証明書)は省略の上、申請可能ですので、 取得費用はかかりません同マニュアル よくある質問と回答 #18
行政手数料が発生するのは、オンライン化された手続のうち「運行管理者資格者証の交付/訂正/再交付」の1手続だけとされています。 報告書の提出は無料です。
※電子署名については「当面の間は試行期間として」との記載があり、 今後の運用変更の可能性に触れられています。
4. 入力と添付
入力のルール
各欄が必須・条件必須・任意のどれなのか、全角か半角か、選択式かを確認しながら進めます。 とくに間違えやすい形式の指定は、FAQで明示されています。
| 項目 | 入力形式 | 例 |
|---|---|---|
| 郵便番号 | 半角数字・半角ハイフン | 123-4567 |
| 電話・FAX番号 | 半角数字・半角ハイフン | 03-1234-5678 |
| 日付 | 半角数字・半角スラッシュ | 2021/1/1 |
※漢字入力はJIS第3・第4水準文字まで対応。外字は入力できないため、 入力できない場合は暫定的にひらがな等で入力し、「備考」項目で正しい記載を説明するよう案内されています。
貸借対照表・損益計算書の添付
事業報告書は様式だけではなく、貸借対照表と損益計算書を含めた5点で1セットです (貨物自動車運送事業報告規則 第2条第2項)。オンラインでもこの2点を添付します。 詳しくは貸借対照表・損益計算書は自社のものでよいをご覧ください。
添付にあたって、FAQに2つの注意があります。
- 1つのフォルダにまとめて添付することはできません。「各添付資料の項目に紐づけてそれぞれアップロードをお願いします」とされています。 審査する側が、どの書類がどの申請項目に対応するのかを取り違えないようにするためです。
- ファイル形式は一般的なもので構いません。代理申請の委任状に関するFAQの中で 「e-GovにはWord、Excel、PDF等一般的な形式は添付可能です」と記載されています。
- 添付ファイルには申請書全体で102.4MBという容量の上限があります。 超える場合は、超過分を管轄の運輸支局等へシステム外で送付する想定とされています (報告書でこの上限に達することはまず考えにくい大きさです)。
120分放置すると消えます
一時保存した案件は、マイページの「一時保存している申請案件」の一覧に並びます。 そこから選べば、途中から再開できます。
また、「申請データを保存」で書き出したファイルを、次回に読み込んで再利用できます。 毎年同じ内容を書く欄が多い報告書では有効ですが、自動で保存・引用する機能はないため、保存は自分で行う必要があります。
5. 提出する
入力と添付が終わったら「内容を確認」で確認画面に進み、内容に問題がなければ「提出」を押します。 提出すると「提出完了」画面が表示されます。
システムは原則として24時間365日利用可能です (システム保守等で一時的に制限される場合があります)。 窓口の開いている時間を気にしなくてよいのは、オンラインの実質的な利点です。
6. 提出後に必ず残すもの(いちばん重要)
紙の申請なら受付印が押された控えが手元に残ります。オンラインでは、それに当たるものを自分で保存します。マニュアルが求めているのは次の2つです。
(1) 申請書控え
申請書控えは、紙での申請における受付印を押された申請書の控えと同等の書類という位置付けとなるので、 大切に保管して下さい。また、公的機関等に申請が受領されたことを証明する書類を求められた場合は こちらを提出して下さい。同マニュアル 4.6 申請書控えの保存
提出完了画面の「申請書控えダウンロード」からZipファイルで取得します。 控えの下部には、提出時に付番される申請管理番号が記載されています。
(2) 手続完了の証跡
報告書は届出であり、許可書のような公文書が発行されません。 そのため、完了したことを示す画面そのものを保存します。
申請後公文書が発行されない期間や届出は、従来の受領印の代わりとして、 手続が完了したことを示す証跡を保存していただくことを想定しています。(中略) 届出の場合はステータスが「受付審査完了」または「手続終了」となっている画面をPDF等で出力する必要があります。同マニュアル 6.1 手続完了の証跡保存
マイページの「申請案件一覧」から到達番号をクリックし、ステータスを確認したうえで、 その画面を印刷機能でPDFに出力します。 マニュアルはWindows 11の例として、プリンターに「Microsoft Print to PDF」を指定する方法を案内しています (「Adobe PDF」でも同じとされています)。
※許可・認可など公文書が発行される手続では、「公文書をダウンロード」から取得します。 その場合、取得期限(自動車運送事業の各種申請手続では概ね90日)を過ぎると確認できなくなります。公文書本体は拡張子が「xml」のファイルで、同梱のXSLスタイルシートを開く必要はありません。
提出後に間違いに気づいたら
自分の判断では直せません。提出先に相談するところから始まります。
申請内容を訂正するには補正を行う必要がありますが、補正は申請者の任意のタイミングで行うことはできません。 申請内容の補正を希望される場合は、手続の提出先にご相談ください。同マニュアル よくある質問と回答 #11
提出先が補正を認めると、申請状況確認画面の「メッセージ一覧」に通知され、 [補正]ボタンが表示されて修正できるようになります。補正が完了したら、申請書控えをもう一度ダウンロードしてください。
なお、ステータスが「手続終了(返戻)」となった場合は、メッセージを確認して再提出できます。 再提出すると、元の到達番号とは別の到達番号が新たに付番されます。
よくある質問
スマートフォンから提出できますか
できません。ただし、提出済みの案件については確認だけできます。
スマートフォンでオンライン申請の入力・提出を行うことはできませんが、 既に申請された案件の状況確認やお知らせ等の確認については行うことができます。同マニュアル よくある質問と回答 #23
やっぱり紙で出したいのですが、もう無理ですか
紙でも出せます。FAQは「可能な限りオンライン申請を推奨しますが、 紙による窓口申請や郵送による申請も可能です」としています。 様式はオンライン開始前の従前のものをそのまま使えます。 窓口・郵送の手順は報告書の提出方法(窓口・郵送・オンライン)にまとめています。
行政書士に頼む場合はどうなりますか
代理人申請ができます。委任状に所定の様式はなく、現行で使用されているものを添付する想定とされています。 ただし申請者と代理人の間でe-Gov上のデータを共有する機能はありません。過去の申請データを渡したい場合は、申請の前に自分で共有しておく必要があります。
事業用自動車等連絡書もオンラインで取れますか
取れません。FAQは「事業用自動車等連絡書は、今回のオンライン申請の対象外となり、 引き続き、紙による窓口申請・交付となります」としています。
複数の担当者で作業できますか
同一アカウントへの複数ログインは「仕様上可能」で、「各自の責任にてご活用ください」とされています。 組織として分けて管理したい場合は、GビズIDプライムとメンバーの組み合わせが想定されています。
操作が分からないときの問い合わせ先は
システムの操作は e-Gov利用者サポートデスク(050-3786-2225)、記載内容や申請要件は管轄の運輸支局という切り分けです。 受付時間は時期により異なるため、 国土交通省のオンライン申請ページで最新のものをご確認ください。 問い合わせフォームは24時間受け付けています。
入力する中身を先に固めておく
e-Govは「出す」ための仕組みで、数字を作るところは助けてくれません。 期限は提出期限チェッカー(無料)、 兼業の按分は兼業按分計算ツール(無料)で確認できます。 様式の書き方は第1号様式・第2号様式・第3号様式の各記事をご覧ください。
出典(一次情報)
- 国土交通省「自動車運送事業(バス、タクシー、トラック)・レンタカー・自家用有償に関するオンライン申請」 — 令和7年12月1日からの本格運用、問い合わせ窓口
- 同「e-Govオンライン申請業務マニュアル(自動車運送事業関連手続)」(PDF) — 令和8年7月・バージョン1.40。2.1 アカウントの取得、2.2 アプリのインストール、4.1 手続検索、4.4 申請書の入力、4.6 申請書控えの保存、5.3 補正、6.1 手続完了の証跡保存、6.2 公文書の確認、よくある質問と回答
- 同「オンライン申請対象手続一覧(自動車運送事業関連手続)」(Excel) — No.48・No.49、電子申請利用開始予定日
- e-Gov電子申請(デジタル庁) — e-Govアプリのダウンロード
- GビズID(デジタル庁) — アカウント種別、プライムの審査と申請方法
- 貨物自動車運送事業報告規則(e-Gov法令検索) — 第2条(提出期限・提出先・事業報告書の構成)
※本記事は一般的な解説です。画面構成や運用はシステムの更新により変わることがあります。 操作で不明な点はe-Gov利用者サポートデスクへ、申請内容については所轄運輸支局または行政書士にご相談ください。