解説ガイド · 第4号様式

輸送トン数の数え方 — 実運送と利用運送の違い

最終更新: 2026年8月 / 根拠: 貨物自動車運送事業報告規則 別記第4号様式 備考5、事業実績報告関連書類の記入要領⑨および脚注(長野県トラック協会掲載PDF)

事業実績報告書(第4号様式)の輸送実績欄には、「輸送トン数(実運送)」と「輸送トン数(利用運送)」の2つの列があります。 ここでつまずくのは「どちらにいくら書くのか」と「同じ荷物を両方に書いてしまわないか」です。 結論から言うと、判断の軸は「荷主から引き受けた時点の貨物量を、1回だけ数える」という一点です。 この記事では記入要領の原文に基づいて整理します。

2つの列の書き分け(記入要領⑨)

記入要領は次のように定めています。

「輸送トン数は、貨物自動車利用運送に係るものを除外して、年間の総輸送トン数の実績値を実運送の欄に記載し、利用運送の欄に各地方運輸局の管轄区域内にあるすべての営業所において貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量を記載する。」
何を書くか
輸送トン数
(実運送)
自社の事業用自動車で運んだ分の年間合計トン数。利用運送に係るものは除外する
輸送トン数
(利用運送)
他の運送事業者に運んでもらった分(貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量)の年間合計トン数

つまり「荷主から受けた仕事のうち、自分で運んだ分」と「他社に出した分」を分けて書きます。貨物自動車利用運送(いわゆる傭車・下請け)を使っていない事業者は、利用運送の欄は0のままで構いません。

最重要: 測る時点は「荷主から引き受けた時点」

記入要領の脚注が、数え方の原則を明確に定めています。

「輸送トン数については、荷主(荷主を運送事業者とする場合を含む。)から貨物の運送を引き受けた時点での貨物量により 測定することとし、貨物の積み換え、中継、貨物自動車利用運送等による二重計上は行わないこと。

ここから実務上の3つの帰結が出ます。

計算例: 一部を下請けに出した場合

年間で荷主から合計1,000トンの運送を引き受け、そのうち300トンを他の運送事業者に運んでもらった場合。

記入する値考え方
輸送トン数(実運送)700 トン1,000 − 300(利用運送分を除外)
輸送トン数(利用運送)300 トン他社に運んでもらった取扱量
合計(参考)1,000 トン引き受けた総量と一致する(=二重計上なし)

※誤りやすいのは、実運送に1,000トン・利用運送に300トンと書いてしまうパターンです(300トンの二重計上)。

計算例: 積み換え・中継がある場合

荷主から500トンを引き受け、自社のA営業所で受けてB営業所で積み替えて配送した場合も、500トンと数えます(A・Bで各500トン=1,000トンとはしません)。

区域別の書き方 — 実運送と利用運送で基準が違う

輸送実績は地方運輸局の管轄区域ごとに記入しますが、様式の備考5は、区域に割り振る基準が 実運送と利用運送で異なることを定めています。

項目区域に割り振る基準(備考5)
延実在・延実働車両数、走行キロ、実車キロ、輸送トン数(実運送)、営業収入その管轄区域内の営業所に配置されている事業用自動車の実績
輸送トン数(利用運送)その管轄区域内のすべての営業所において行った貨物自動車利用運送に係る貨物取扱量

利用運送では自社の車両を使わないため、「車両がどこに配置されているか」ではなく「どの営業所が取り扱ったか」で区域を判断します。 営業所が1つの運輸局管内に収まっている場合は、その行にまとめて記入すれば足ります。

霊きゅう自動車の場合は「体」で数える

記入要領の脚注は「霊きゅう自動車による運送を行う場合は『トン』とあるのは『体』とした上で作成すること」と 定めています。霊きゅう運送を行う事業者は、単位を読み替えて記入します。

よくある間違い

区域別の入力から全国計まで自動計算

第4号様式 作成ツール(無料)では、区域別に輸送トン数(実運送・利用運送)を入力すると 全国計・実働率・実車率まで自動計算してExcel出力できます。 提出期限は毎年7月10日(期限チェッカー)。

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出典(一次情報)

※本記事は上記の原文に基づく一般的な解説です。個別の計上方法は所轄運輸支局または行政書士にご確認ください。 記載に誤りや実務との齟齬にお気づきの際はお問い合わせからお知らせいただけると助かります。